シーズン最後に旬を迎えるりんご「ピンクレディー」はオーストラリアから来た特別な品種

シーズン最後に旬を迎えるりんご「ピンクレディー」はオーストラリアから来た特別な品種

真っ赤でちょっと長細い、ピンクのハートマークのシールが貼られたりんごを見たことがありますか?
晩夏から冬にかけて様々な品種が出回るりんごの季節の最後に旬を迎えるのがこの「ピンクレディー」です。
昔の女性アイドルデュオの名前じゃありませんよ。
このピンクレディーはオーストラリアで生まれたちょっと特別なりんごなんです。

ピンクレディーはオーストラリア生まれのブランドりんご

ピンクレディーはオーストラリアの試験場で「レディウィリアムズ」と「ゴールデンデリシャス」を交配して、「クリスプピンク」という名前で品種登録されました。
レディウィリアムズもゴールデンデリシャス(黄色)もどちらも偶然生まれた品種ですが、ゴールデンデリシャスは王林(おうりん)やつがる、シナノゴールドなどの親品種として有名です。

1984年(昭和59年)に「ピンクレディー(Pink Lady)」という名前が世界共通の「商標」となり、現在では世界各国で栽培されています。
ヨーロッパやアメリカでは「恋人たちのりんご」として人気があります。

ところで、この商標名「ピンクレディー」は、生みの親である方の好きなカクテル「ピンク・レディー」から取ったものだそうです。カクテル名から名前が付いたなんて、なかなかお洒落ですね。

りんごのシーズン最後に旬がやってくる!

ピンクレディーの収穫時期は11月中旬ごろから始まり、2~3週間ほどで終わります。ただ、出荷されるのは年明けになることが多く、旬を迎えるのは1~2月となります。

ピンクレディーは糖度が高めですが、それ以上に酸味が強く、低温で1~2ヶ月貯蔵すると酸味が抜けて味がまろやかになります。旬が遅いのにはそういった理由があるのです。貯蔵性が高いことでこのような食べ方が可能になっているんですね。

酸味が落ち着いたら食べ頃に

酸味が落ち着いたら食べ頃に

ピンクレディーはりんごとしてはやや細長く、丸いりんごに慣れている日本人にはちょっと微笑ましいような間抜けさ(失礼な・・・)を感じる可愛らしい形をしています。
大きさも200g前後と小ぶりで、表面が少しボコボコしているのも特徴のひとつです。
きれいに赤く色づいた姿はそのまま飾っておきたくなりそうです。

酸味が落ち着いてもなくなるわけではありませんので、全体的には甘酸っぱい味わいになります。
実が硬くてシャキッとした歯ごたえもあり、小さめであることから、海外ではそのまま丸かじりすることが多いようです。しかし実が硬いので熱を加える調理法でも荷崩れがなく、お菓子作りにも向いています。

同じく小玉でお菓子作りには欠かせない「紅玉(こうぎょく)」と比べると、酸味だけでなく甘味も強いりんごとなっています。

ピンクレディーは資格がないと作れないりんご

ピンクレディーは西オーストラリア州から委託を受けたApple and Pear Australia Limited(APAL)という組織が世界中の生産農家を管理しています。
日本ではAPALと契約している「日本ピンクレディー協会」(設立2006年)の会員になる必要があり、個人で栽培することも、勝手に生産・販売することもできないようになっています。
これは国際的なルールなので、日本以外でも同じです。

2021年6月現在、日本ピンクレディー協会に登録している生産者は全国で47人。長野県の栽培農家が圧倒的に多くなっています。

基準を満たしたものだけが「ピンクレディー」と呼ばれている

日本ピンクレディー協会のサイトによると、ピンクレディーと名前を出して販売することができるのは色や糖度が一定の基準を満たしているものだけに限られる、とあります。

スーパーなどが独自に海外から輸入したものを売っていることもまれにあるそうですが、協会の承認なしで販売することは認められていないそうです。
高級ブランドの並行輸入品のような感じ、といえば分かりやすいかもしれません。

未承認のものは品質を保証できませんとまで記載されていますので、それだけ西オーストラリア州が本気でこのピンクレディーというりんごをブランドとして大切にしているかが良く分かります。

ピンクレディーはどこで買えるの?

ピンクレディーはどこで買えるの?

ピンクレディーの販売は日本ピンクレディー協会として東京・名古屋・大阪の市場に出荷しています。

数は少ないですが正規品がお店に並ぶこともあるようです。
生産者が独自に道の駅や直売所、ネットショップで販売している場合もあります。また、日本ピンクレディー協会が各生産者に1~3月の間に東京や名古屋の即売会に出店する機会を設けているそうなので、そういったところでも手に入れることができます。

お値段は大体3㎏で4,000円からと言ったところでしょうか。個数にすると12~15玉ほどになります。店舗や直売所、即売会ではもう少し少ない数で購入することができるかもしれませんね。

まとめ

最初に「ピンクのハートマークのシールが貼られたりんご」とお話しましたが、恋人たちのりんごと呼ばれていると聞けば「なるほど!」と思うかもしれませんね。
まだまだ珍しいりんごですが、2月に旬を迎えることからバレンタインデーに贈るのもいいかもしれません。

チョコレートもいいですが、りんごは体にもとてもいい果物なので「本命りんご」「友りんご」としてもっと多くの人に食べてもらいたいです。

cocoro FARMでは、他にも色々なりんごを販売しています。
ぜひご覧ください。

りんご各種一覧はこちら

ココロマルシェ オンラインストアはこちら