長野県産「なかののきらめき」赤い果肉のりんごの美味しい食べ方をご紹介

長野県中野市で栽培されている稀少な品種「なかののきらめき」。
皮は黄色っぽく、中の赤い色をした果肉が特徴で、ジャムなどの加工用に適しています。
旬の味覚は、美味しくい食べたいところです。
この記事では、「なかののきらめき」の特徴や美味しい食べ方、おすすめレシピなどをご紹介します。

「なかののきらめき」特徴とは?

「なかののきらめき」特徴とは?

「なかののきらめき」は、赤い果肉の「いろどり」と黄色い果皮を持つ「王林」を掛け合わせて生まれたりんごです。
2018年に品種登録された新品種になります。赤い果肉のりんごとしては、既に出回っていた「紅の夢」や「いろどり」がありますが、それらとの大きな違いは果皮の色です。「なかののきらめき」は、黄緑色の地色にほんのり橙赤に色づいています。
外観は縦長の楕円形で、約300~350gとやや大きめサイズ。
「なかののきらめき」は、なんといっても断面の模様の美しさが魅力です。赤い色のさし方、幾何学的に並ぶ種の様子に驚く方も少なくありません。食べた感じは、しっかりした硬めの食感で、糖度が高く、甘みと適度な酸味が味わえるのが特徴です。
「なかののきらめき」の収穫時期は11月上旬くらいです。栽培している農家が少ないため、生産量も極わずかです。見つけたときが買いどきといえるでしょう。
収穫の時期になると、インターネットで商品が販売されるので、信州の関連サイトやブログなどをチェックしてみると良いでしょう。貯蔵性が高く保存が効くので、贈答用としても人気があります。

「なかののきらめき」誕生秘話

「なかののきらめき」は、長野県中野市で赤い果肉のりんごを30年以上研究開発していた、りんご農家さんが育成して生まれたものです。
りんごといえば、果肉の色は白や黄色が一般的です。しかし、「なかののきらめき」の果肉の色は赤色です。どうしてこのような赤い果肉のりんごが生まれたのでしょうか。
開発者によれば、りんごにはもともと赤色の遺伝子があり、他のりんごとの交配で赤い果肉のりんごが出来たといいます。つまり、遺伝子が関係しているということです。
赤い果肉のりんごは、「なかの真紅」「ムーンルージュ」「いろどり」「炎舞」、酸味が強く濃厚な味で加工用に向く「冬彩果」などに「なかののきらめき」を加えた6品種が登録されています。

赤色の果肉といっても、桃色から濃紅色まで品種によってさまざまです。

現在いくつかある赤い果肉のりんごは、生食に向かない加工用のものがほとんどでした。赤果肉のりんごの研究開発を続ける中で、ようやく生のままでも美味しく食べられる赤果肉のりんごの栽培に成功したそうです。
味や用途、収穫の時期、それぞれの持ち味にこだわり、生食でも美味しいりんごに辿り着いたとのこと。味や断面の模様もそれぞれ違っており、個性があります。
50種類以上あっても品種登録されるのが1つあれば良い方だといいます。開発研究者は、現在の品種を栽培しながら、より美味しい次世代のりんごの品種を開発中だそうです。

健康に良い?りんごの持つ栄養

「1日1個のりんごが医者を遠ざける」ということわざがあるくらい、りんごは健康に良いとされています。
その理由が、りんごに含まれている栄養素です。

クエン酸やリンゴ酸といった有機酸を多く含み、疲労回復や胃腸の働きの改善、殺菌作用などの効果があるとされています。

また、りんごの皮には、ペクチンやポリフェノールがたっぷり含まれているため、皮ごと食べるのがおすすめです。

ペクチンは、整腸作用やコレステロールの排出、便秘の予防に繋がります。ポリフェノールは、コレステロールを取り除き、活性酸素を抑える働きやがん予防の効果が期待できます。

りんごのカロリーですが、100gの皮つきで61kcalと低めです。特に多く含まれている栄養素は、カロテン20μgとカリウム120mgです。(七訂日本食品標準成分表より)カリウムは、体内の塩分排出作用や高血圧の予防に繋がるとされています。

特にりんごの中でも「なかののきらめき」は、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸やエピカテキンが通常のりんごの約3倍も含まれているとのこと。悪玉コレステロールが低下した事例などもあるようで、その健康効果は侮れません。

「なかののきらめき」の美味しい食べ方

「なかののきらめき」の果肉はしっかりしていて煮崩れしにくく、加熱により果肉全体に赤味を帯びることで、見栄えが良いことから、スイーツなどの加熱調理に適しています。

りんご特有の酸味が活きて、美味しく食べることができます。『食べて美味しい、見て楽しめるりんご』として、一流ホテルのシェフやパティシエから注目されているそうです。

コンポートやアップルパイ、スライスしたものを敷き詰めて焼き上げるタルトなどや、煮詰めてジャムにするのもおすすめです。薄くスライスしたものを低温でパリッとさせれば、リンゴチップスとして食べることもできます。

生のままで食べるなら、切り方によって模様の出方が違う部分をうまく活かすと良いでしょう。中心から縦にスライスしたものを並べると、黄色い皮と赤い果肉の部分のコントラストが綺麗で、その見た目を楽しみながら食べられます。

りんごを使ったおすすめのレシピ

りんごを使ったおすすめのレシピをご紹介します。ぜひ参考にして作ってみてください。

レシピ①コンポート

鍋に8切りにしたりんごと砂糖、レモン汁を加えたあと、水をひたひたに入れて弱火にかけます。りんごが透き通ってくるまで、約20分コトコト煮ましょう。

レシピ②ジャム

りんごはいちょう切りにします。鍋にりんごとレモン汁、砂糖を入れて、焦げないように木べらで混ぜながら、中火にかけてください。とろとろがよければ弱火にして1時間ほど煮詰めましょう。形を残したい場合は、全体が透き通って水分がとろっとした時点で加熱を止めます。

レシピ③りんごバター

水を入れた鍋に、皮を剥いて薄切りにしたりんごを入れます。シナモンスティックと塩をひとつまみ加えて、軟らかくなるまで煮てください。シナモンスティックを取り出して、ブレンダーをかけたら、ペースト状にして瓶に詰めましょう。

レシピ④りんご和え

大根は千切りにして塩を振って、しばらく置いて水気を絞ります。人参も千切りにしておきましょう。りんごは皮をむいてすりおろしてから酢を加えます。これに、大根と人参を加えて和えてください。

まとめ

「なかののきらめき」は、長野県中野市でしか栽培されていない稀少な品種で、りんご農家の想いが詰められています。旬の味を楽しむなら、収穫の時期に合わせてチェックしておきましょう。

カロリーが控えめなりんごは、カロテンやカリウムなどの栄養素が豊富。ポリフェノールもたっぷり含まれているため、栄養満点の果物です。特に「なかののきらめき」は、通常のりんごの3倍ものポリフェノールを含んでいます。ぜひ積極的に取り入れてみましょう。

また「なかののきらめき」は、食味と見た目の美しさがポイント。甘みと酸味が程よいバランスなので、生のままでも食べられますが、りんごの風味や食味を活かして加熱調理すると良いでしょう。赤味がより鮮やかになり、見栄えが良いため、スイーツなどにおすすめです。

「なかののきらめき」を味わうなら、ぜひ目で見て、食べて楽しみましょう。特徴や個性を活かして、旬の美味しさを味わってみてくださいね。