完熟したラフランスの切り方は?未熟だった時の食べ方もご紹介します

完熟したラフランスの切り方は?未熟だった時の食べ方もご紹介します
最近では手軽に手に入るようになった「ラフランス」。
買ったはいいけど食べてみたら美味しくなかった!という経験をした人もいるのではないでしょうか?
ラフランスに限らず、洋梨は「追熟」という過程を経て完熟する性質がある果物です。

完熟するととろけるような舌触りのラフランス。
今回は切り方のコツと、未熟だった時に簡単にできる美味しいジャムのレシピをご紹介します。

ラフランスってどんな果物?

ラフランスはフランス原産の洋梨の一種です。
もともとは別の品種の授粉用に輸入されましたが、その美味しさが見直され、グルメブームによって広く知られるようになりました。日本で栽培される洋梨の中で最も収穫量が多く、「洋梨と言えばラフランス」と言われるほどの認知度を誇ります。

出荷までに手間がかかることからフランスではほとんど栽培されなくなってしまいましたが、日本ではとろけるような食感と甘味、さらに芳醇な香りでスイーツに利用されるだけでなく、生で食べる人も多くなりました。
今ではスーパーなどでも手軽に手に入れることができる人気の果物のひとつになっています。

ラフランスの旬はいつ?

日本でラフランスの産地として有名なのは山形県です。
全国で生産されるラフランスの85%が山形産ですが、長野県や青森県でも栽培されています。
大体10月から収穫が始まり、10月~12月にかけて出荷されます。最も多く出回るのは11月頃なので、この時期を狙って購入するのがポイントです。

ラフランスを美味しく食べるには

ラフランスを美味しく食べるには

「果実の女王」とも呼ばれるラフランス。しかし、その特徴を知らないと美味しく食べることはできません。実は洋梨は木に成った状態では完熟しないという性質があります。そのためラフランスを美味しく食べるには「予冷と追熟」が必要になります。

予冷と追熟って?

ラフランスは収穫後にいったん2~5℃の貯蔵庫に入れて10日ほど保管します。
果物はもいだ後も呼吸をしていますが、その呼吸を止める作業を「予冷」といいます。この予冷を行った後に常温に戻すと一斉に呼吸を始め約2週間で完熟します。この期間が追熟です。

通常は予冷が済んで食べ頃になる時期を見計らって出荷されていきますが、温度によって追熟の期間が異なるため、最終的には食べ頃を買った人が見極める必要が出てくるのです。

ラフランスの食べ頃の見分ける方法

ラフランスの食べ頃を知るには頭の部分に注目してください。
ラフランスは実が熟すとてっぺんに細かいシワが寄り、軸(木の部分)が枯れ枝のようになります。
こういう状態になった時にシワの部分を軽く手で押してみて、耳たぶくらいに柔らかくなったら食べ頃です。また、香りもぐんと強くなるのでこちらも目安のひとつにしてください。

ラフランスの簡単な切り方と食べ方

ラフランスに限らず、洋梨の切り方は基本的にはりんごと同じだと思っていただければOKです。
ただし、完熟したラフランスは果肉が非常に柔らかいので「切ってから皮をむく」のが正しい切り方です。

なお、食べる前には冷蔵庫で1~2時間冷やすとより美味しくなりますよ。

手を汚さずに食べるには

手を汚さずに食べるには

ラフランスを縦に半分に切ります。スプーンや「くり抜き器」で芯を取ってから、メロンのように実をすくって食べると簡単に食べられます。

くし切り

くし切り

いわゆるりんごと同じ切り方です。
①ラフランスをまな板の上に横になるように置き、4~8等分(大きさによって異なります)に切り分けます。この時、あまり薄く切ってしまうと皮をむく時に実がつぶれてしまうので注意しましょう。
②軸と種の部分をⅤ字になるように切り取り、皮をむけば出来上がりです。種の部分は「くり抜き器」を使ってもOKです。

輪切り

輪切り

缶詰のパイナップルのような切り方です。
①芯抜きを上からまっすぐ差しくるっと回す。下からも同じようして芯をくり抜く。
②ラフランスを寝かせた状態で輪切りにしてから皮をむけば出来上がりです。
一度にたくさん熟してしまったら冷凍を
ラフランスは完熟してしまうと日持ちがしません。一度に食べきれない時は冷凍するのがおすすめです。冷凍してもカチカチに凍ることはありませんので、そのまま削ってシャーベットのように食べるのもまた美味しいですよ。
半切りの場合はラップをかけるのが簡単です。くし切りや輪切りの場合はもう少し細かく切って保存容器や保存袋に入れて冷凍すると少しずつ食べることができて便利です。なお、冷凍でも1ヶ月を目安に食べきるようにしてください。

追熟不足だった時の手軽な食べ方

十分に熟していると思って切ってみたらまだ実が硬くてまずかった・・・ということもあるかもしれません。甘くない梨をそのまま食べる気にはなりませんよね。そんな時はジャムなどにしてしまうのがおすすめです。簡単なレシピをご紹介しましょう。

【定番ラフランスジャムの作り方】

★材料

ラフランス1個(中玉)、グラニュー糖50~80g、レモン汁少々

★作り方

①ラフランスはくし切りにカットして芯を取って皮をむき、鍋に入れる。
②レモン汁とグラニュー糖を加えて弱火で煮込む。
③焦げ付かないように時々かき回しながら、とろみがつくまで煮込めば出来上がり。

長期保存をしないのであれば、フタのあるガラス容器に熱いうちに入れて冷まし、そのまま冷蔵庫にしまってください。保存料が入っていないので早めに食べきって下さい。パンに塗ったり、ヨーグルトにかけたりしても美味しいですよ。

砂糖はグラニュー糖がなければ白砂糖でも構いません。ただ、グラニュー糖の方がラフランスの甘みが引き立ちます。
砂糖の量は「果物の重さの50~100%」が目安となります。お好みの甘さで調節してください。

ジャムのとろみをつけるためにレモン汁を使っていますが、なければボトルに入ったレモン汁やクエン酸、柑橘類の皮やりんごの芯でも代用できます。レモン汁の目安は果物400gに対して大さじ1、クエン酸ならその半量です。柑橘類の皮を使うのであれば細切りにして煮込んでしまうか、取り出しやすいように大きいまま使いましょう。

もっと気軽にラフランスを楽しもう

ラフランスってどうやって食べたらいいんだろうと考えてしまって結局食べずに終わっている方も、「なんだ、そんなに簡単だったんだ!」と思っていただけたのではないでしょうか。
特に完熟したものは簡単に食べることができますから、さっぱりしたものがちょっと食べたい時などにおすすめです。

なお、ラフランスはりんご以上に切り口が変色しやすいので、お茶請けなどにするために先に切っておきたい時はレモン汁などをさっと塗っておくと変色が防げます。
ラフランスの旬の時期にはボトルに入ったレモン汁を用意しておくといいかもしれません。