完熟ラ・フランスの食べ方は?基本と応用レシピでもっと美味しく楽しもう!
10~12月に旬を迎える洋梨の一種「ラ・フランス」。とろけるような食感と甘さがたまらない「果物の女王」です。
ラ・フランスを美味しく食べるには、ラ・フランスの「追熟」と食べ頃の見極めの方法をよく覚えておく必要があります。完熟したラ・フランスは果肉も柔らかく、生で食べるにも切り方にちょっとしたコツがあるんです。
今回はラ・フランスをもっと美味しく、手軽に食べる方法とレシピをご紹介します。
ラ・フランスの「追熟」と食べ頃
ラ・フランスは日本で最も多く栽培されている洋梨の品種です。
名前のとおりフランス原産の果物ですが、現在ではフランスではほとんど栽培されていないそうです。
理由は「手がかかるから」。
花が咲いてから実が成るまでに時間がかかるだけでなく、収穫した後も美味しく食べるにはひと手間必要だからと言われています。
ラ・フランスは収穫した後、低温の貯蔵庫で10日ほど冷やして呼吸を止めます(これを予冷といいます)。その後常温に戻すと、ラ・フランスは一気に呼吸をして熟し始めます。この期間を追熟と呼んでいます。
一般的には予冷後に追熟をしながら最も美味しい時期になるように出荷されますが、熟す速度は温度によって変わってきますので自分で「食べ頃」を見極めることが必要なのです。
完熟したラ・フランスの特徴
①軸が枯れ枝のようになる
②軸の周りに細かいシワが寄る
③シワの部分を押すと柔らかい
④香りが強くなる
完熟ラ・フランスを生で食べる場合
ラ・フランスの切り方は基本的にりんごと同じ「くし切り」です。
大きさに寄りますが4~8等分に縦に切り分けてお召し上がりください。食べる前に1~2時間冷やすとより美味しく食べられます。
なお、「皮は切ってからむく」のがポイントです。
完熟したラ・フランスの果肉はとても柔らかく果汁で滑りやすいので、りんごのように丸いままむくのは難しいです。また、切り口が変色しやすいため、食べる直前に切るのがおすすめです。
もしも少し時間が空くようであれば、切り口にレモン汁を塗るか0.5%の食塩水(1ℓに対し塩小さじ1が目安)にさっと浸すと変色しにくくなります。
また半分にカットして、スプーンですくって食べれば手を汚さないのでより簡単です。
生で食べるちょっと大人のラ・フランス
そのままでも十分に美味しいですが、より濃厚な甘さと香りを堪能できる食べ方をご紹介しましょう。
★材料
ラ・フランス 1個(完熟したもの)
レモン汁 小さじ1
塩、ブランデー少々
★作り方
①ラ・フランスを縦に二つに切ってから、1cmくらいの厚さにスライスする。
②お皿に載せて、ドミノのように少し倒す。
③上からレモン汁をふりかけ、塩とブランデーを垂らせば出来上がり。
冷凍してシャーベットとして食べるのも美味しい
完熟したラ・フランスは日持ちがしないので、冷凍してシャーベットとして食べるのもおすすめの食べ方です。ラ・フランスの甘み成分である糖はジェル状になっているので、冷凍してもカチカチにはなりません。
冷凍する場合には半分にカットした状態でラップをかけるか、くし切りしたものをさらにひと口大に切って保存容器か保存袋に入れて冷凍庫へ。
1ヶ月を目安に食べ切るようにしてください。
ひと手間掛けたスイーツに挑戦してみよう!
生で食べても美味しいですが、ひと手間掛けてオシャレなスイーツにするのもおすすめです。
基本は完熟したものを使用しますが、完全に熟していないものでもシャキシャキした食感や爽やかな酸味を楽しむことができます。
完熟の見極めが難しいという方は、こんな食べ方をしてみてはいかがでしょうか。
1)ラ・フランスのコンポート
コンポートとはフルーツを砂糖水やワインで煮込む調理法であり、保存法でもあります。
ジャムほど長くは持ちませんが、フルーツの持ち味を楽しむことができる食べ方です。完熟していない時でも作ることができます。
砂糖やワインの量はお好みで調節してくださいね。
グラニュー糖でなくても白砂糖でもOKです。
シロップに浸けたまま冷蔵庫で一晩おくと味がしみ込んで美味しくなります。
そのままでも、アイスクリームなどを添えても美味しいですよ。また、コンポートを利用してタルトなど他のデザートに使用することが可能です。
★材料
ラ・フランス 1個
砂糖水で作る場合:グラニュー糖 50~80g、水 250㏄
ワインで作る場合:白ワイン(赤ワインでもOK)100~120㏄ グラニュー糖 大さじ1~3
★作り方
①ラ・フランスをくし切りにして皮をむいておく。
②水とグラニュー糖、ワインと砂糖を混ぜてシロップを作る。
③鍋にシロップとラ・フランスを入れて弱火で煮込む。クッキングシートで落としぶたをすると水分の蒸発を防ぎ、味がしみ込みやすくなる。
2)ラ・フランスのサングリア
ワインとフルーツで作るサングリアは女性に人気のお酒です。
フルーツやお酒の種類によって味も変わり、鮮やかな色合いで目でも楽しめます。
数種類の果物を使用しますが、今回は冬に美味しいりんごとあわせてみました。
★材料
白ワイン 1本
ラ・フランス 1個
リンゴ 1/2個
レモン 1/4個
シナモンスティック 1本
しょうが 少々
蜂蜜
★作り方
①ラ・フランスとりんごは1cmくらいの厚さに切る。レモンはもう少し薄くスライスする。
②保存用の瓶に果物、生姜、シナモン、蜂蜜を入れてからワインを注ぐ。
③常温で一晩漬ければ出来上がり。
飲む前には冷蔵庫で冷やしてくださいね。
3)前菜にぴったり!生ハム&ラ・フランス
ラ・フランスは「熟したメロンのような味」とも言われています。
前菜で有名な「生ハムメロン」をラ・フランスで作っても美味しくて、何よりとても簡単です。
ホームパーティーなどでさっと出せる一品です。
★材料
ラ・フランス 1個
レモン汁 小さじ1
生ハム 50g
オリーブオイル、黒コショウ 少々
★作り方
①ラ・フランスをくし切りにして、皮をむいてからひと口大に切る。
②お皿にラ・フランスを並べて上から生ハムを乗せ、オリーブオイルと黒コショウを振りかける。
ラ・フランスに生ハムを巻いても美味しいですよ。
ラ・フランスを手軽に美味しく食べよう!
今回はラ・フランスを手軽に食べて欲しいということで、簡単なレシピをご紹介しました。
知名度はあるもののまだ食べたことがないという方に、ぜひ手に取ってもらいたい果物です。
洋梨はもともと缶詰などの加工用に栽培されていたものなので、生で食べるだけでなく、コンポートを使ってパイやタルトなどのお菓子作りに挑戦してみてくださいね!