2022.06.13

豊水梨と幸水梨味の違いと特徴を生かしたレシピ販売時期もご紹介

シャリシャリとした歯ざわりと瑞々しい果肉が人気の日本梨（和梨）は、季節を感じる果物として食卓の定番となっています。
その中でも幸水と豊水は、スーパーなどの店頭でも良く見かける日本梨を代表する品種です。
今回はこの2つの梨について、味の違いや美味しい食べ方など、たっぷりと味わう方法をご紹介します。

梨の旬幸水は8月上旬、豊水は下旬が目安

まずは梨について簡単にご紹介していきましょう。
梨には「日本梨」と「西洋梨」の2種類があり、幸水と豊水は日本梨に分類されています。
さらに日本梨は、皮が茶色を帯びた「赤梨」と淡い緑色の「青梨」に分けられ、幸水と豊水は赤梨を代表する品種として広く知られています。
また、青梨の代表的な品種は「二十世紀」で、こちらも名前が良く知られている品種となっています。

幸水と豊水、それぞれの旬の時期

幸水と豊水はどちらも赤梨として有名な種類で、主な全国生産量のランキングは1位が千葉県、続いて茨城県、福島県、栃木県と関東地方が産地のメインを占めています。
1959年に生まれの幸水は、濃厚な甘みとしっかりとした果肉が人気。
「菊水」と「早生幸蔵」を交配してました。
1972年生まれの豊水は、幸水を親として誕生しました。
甘みと酸味のバランスが良く柔らかな果肉を持つ品種です。
平均的な値段も幸水、豊水ともに同じなので、よく比較される品種でもあります。

同じ地域で主に収穫される幸水・豊水ですが、実は旬は幸水が少し先。
幸水の方が早く出荷が開始され、豊水はそれを追いかけるように市場に登場します。

幸水の旬

幸水は8月上旬から9月上旬にかけて旬を迎えます。
「早生品種（わせひんしゅ）」と呼ばれており、日本梨全体の中でも早い時期に旬を迎える品種です。
暖かい地域では夏本番の7月下旬から収穫が始まり、店頭で幸水を見かけるようになると日本梨のシーズンが開始したと感じられる、旬を告げる品種ともいえます。

豊水の旬

一方の豊水は「中生品種（なかてひんしゅ）」に分類され、日本梨のシーズン中盤である8月下旬から9月下旬にかけて旬を迎えます。
遅い地域では10月上旬でも収穫が可能な品種で、秋の始まりを告げる品種ともいえるフルーツです。

このように幸水・豊水は旬を迎える時期が前後しています。
8月下旬から9月上旬にかけてはどちらの品種も良く流通しているので、食べ比べて味わいの違いを感じてみてはいかがでしょうか？

【長期保存はNG】豊水梨と幸水梨保存性の違い

続いては豊水と幸水、それぞれの保存性について解説します。
まず前提として、日本梨は保存性に優れていません。
果物というと収穫後追熟させてから食べるイメージが強いですが、日本梨は追熟をしない果物です。
熟してから収穫され、その後は時間の経過とともに品質が劣化していきます。
そのため、購入後はできるだけ早く食べきることをおすすめします。

豊水と幸水の場合、どちらも日持ちしにくい果物ではありますが、豊水の方がやや保存性に優れている傾向にあります。
実はフルーツや野菜などの農産物の場合、早生品種は長期保存に向かない品種が多いです。
幸水は早生品種のため、豊水よりも保存が難しく最長で1週間程度。
豊水は中生品種で幸水よりは日持ちが良く、1週間以上日持ちすることもあります。
とはいえ鮮度は時間経過とともに落ちていきますので、どちらの品種も生食で召し上がるのであれば1週間以内に食べるのが良いでしょう。

豊水と幸水の上手な保存方法

購入後は必ず冷暗所で保管してください。
冷蔵庫でも良いですが、日本梨は冷やしすぎると甘みを感じにくくなるので、保管の際は常温で気温の低いところがおすすめです。
冷蔵庫で冷やす場合は召し上がる約1時間前に入れるとほの甘く冷えて美味しくいただくことができます。

冷蔵庫で保存する場合は、必ずビニール袋やジッパー袋に入れてください。
日本梨は乾燥に弱く、むき出しのまま冷蔵庫に入れると果実に含まれる果汁などの水分が飛んでしまいます。
美味しく召し上がるためのひと手間を忘れないようにしましょう。

幸水と豊水の特徴を生かしたレシピ

幸水と豊水はいずれも糖度が高いため、生食が一番おすすめの美味しい果物ですが、頂き物などでたくさん手元にある場合は少し手を加えてみてはいかがでしょうか？
ここからは幸水と豊水、それぞれにおすすめのアレンジレシピをご紹介します。

幸水のアレンジレシピ

甘みが強くシャキシャキとした食感が魅力的な幸水は、サラダにするのが特におすすめです。
薄くスライスしてベビーリーフの上に並べたり、角切りにしてクルトンのような食感を楽しんだりできます。
幸水は甘い果実ではあるものの、水分が多いのでさっぱりとした後味が特徴。
そのため、サラダとの相性も抜群です。
ドレッシングはオリーブオイルベースのシンプルなものがおすすめ。
オリーブオイルと塩、酢やレモンを使って、好みの味になるよう自作してみてはいかがでしょうか？

豊水のアレンジレシピ

甘みと酸味のバランスが良く、大玉が特徴的な豊水。
市販のピザ生地を使った、デザートピザがおすすめです。
ピザ生地の上にオリーブオイルを塗り、カスタードクリームを敷き詰めます。
その上にくし切りにした豊水を並べ、オーブンでじっくりと焼くだけ。
焼きあがったらお好みではちみつやミントをのせて完成です。
甘じょっぱい味が好きな方は、ピザ用チーズをのせて焼くアレンジもチャレンジしてみてください。
大玉サイズの豊水を生かして大きめのくし切りにすることで、見た目にもとても楽しい一品に仕上がります。