市田柿(干し柿)が出回る時期は12月!特徴や美味しい食べ方を紹介

市田柿(干し柿)が出回る時期は12月!特徴や美味しい食べ方を紹介

寒さが厳しくなる12月は、市田柿が旬を迎える季節です。
長野県南信州にあるCOCORO FARMでも、市田柿づくりの最盛期を迎えています。
もっちりとした果肉と、昔ながらの素朴な甘みが魅力的な市田柿。
今回はそんな市田柿について、作り方や特徴、おすすめの食べ方をご紹介します。

【市田柿の特徴】糖度の高い完全渋柿

【市田柿の特徴】糖度の高い完全渋柿

まずは市田柿についてご紹介します。
市田柿は10月から11月頃の秋の時期に収穫を迎える渋柿で、高い糖度が隠れてしまうほどの強い渋みを持ち、生で食べるのは困難な柿です。
美味しく食べるためにさまざまな工程を経て、甘くて柔らかい干し柿・市田柿として販売されています。

100年以上の歴史を誇る干し柿・市田柿

長野県南信州で栽培された名産品・市田柿。
その歴史は長く、500年以上前から栽培されていたと言われています。
大正時代に干し柿のブランドとして市田柿が誕生し、2021年に100周年を迎えました。
市田村で発祥した市田柿は古くから農家の保存食として楽しまれ、今では地域を誇る名産品として全国に広く知られています。

渋柿が甘くなる理由

渋柿の市田柿を乾燥させることで甘くなるのは何故でしょうか?
それには、柿の持つある成分が干すことで変化するのが関係しています。

柿にはポリフェノールの一種「タンニン」が豊富に含まれています。
このタンニンが渋柿の渋みの元です。
タンニンは水溶性なので、口に入れると溶けだし渋みをダイレクトに感じてしまいます。
この水溶性を不溶性に変えるのが、干し作業なのです。
タンニンは皮を剥いて干すことで不溶性に変化し、口に入れても溶けださなくなります。
その結果、元々高い糖度を持つ市田柿の甘みだけを感じることができ、甘い干し柿ができあがるのです。

市田柿が干し柿になるまでの工程

市田柿が干し柿になるまでの工程

渋柿が甘い干し柿になるまでには、さまざまな工程が必要です。
ここからは市田柿の製造工程をご紹介します。

収穫・皮むき

COCORO FARMでは10月頃から収穫が始まります。
収穫の前に柿の実1つ1つを熟練の目でしっかりとチェック。
全体が綺麗に色付いて成熟したものを、傷がつかないよう丁寧に人の手で収穫していきます。

収穫した市田柿は大きさごとに選別し、いったん貯蔵庫へ保管。
10月下旬より専用の機械を使って、1つ1つ丁寧に皮むきを行います。

吊るし干し・揉み作業

皮むきが終わると次は吊るし干しに入ります。
柿を専用の紐にかけ、厳しい衛生管理がされたビニールハウスの中にぶらさげていくのです。
まるでのれんのように見えるので「柿のれん」とも呼ばれています。

約1ヶ月かけて吊るし干しした後は、状態を確認しながら揉み作業を行います。
揉み作業は機械を用いて柿をよく揉み、柿の中に残った水分を外に出す作業です。
この作業をすることで、市田柿の特徴でもある白い粉が現れます。

選別・袋詰め

粉出しの完了した市田柿は、再び選別されて規格ごとに分類します。
分類の基準は最終的な大きさや色付き、粉の現れ方です。
基準に沿って特秀・秀・優・規格外に分けていきます。
ちなみに規格外に分けられたものは、市田柿と名乗ることができません。
その代わり干し柿と名称を変えての販売や、加工品の原料等に使われます。
こうして分類された市田柿はやっと袋詰めされ、発送にいたるのです。

糖度の高い市田柿は表面に柿霜がまんべんなくついている

糖度の高い市田柿は表面に柿霜がまんべんなくついている

市田柿といえば、全体を覆う真っ白な粉が特徴的です。
実はこの粉は「柿霜(しそう)」といって、美味しい市田柿を見極めるうえでとても重要なポイント。
柿霜は揉み作業によって現れるのですが、霜の元になるのは柿自身が持つ糖分なのです。

揉み作業は柿の中に残った水分を取り出す作業ですが、この時、水分に含まれる糖分も一緒に外に出ます。
外に出た糖分は柿の表面に付着したまま乾き、柿霜に変化。
糖度の高い柿ほど糖分が高いので、柿霜もよりしっかりと付着するのです。

もちろん揉み作業の際に適量の水分が残っていないと、外に出る糖分が少なくて柿霜になりません。
反対に水分が多すぎても表面がべたついて、うまく霜になりません。
綺麗な柿霜を出すには熟練の技術も必要で、しっかりと全体が白くなっている市田柿は技術の結晶でもあるのです。

お歳暮に最適!COCORO FARMの市田柿(干し柿)

お歳暮に最適!COCORO FARMの市田柿(干し柿)

COCORO FARMでは現在、市田柿の出荷に向けて作業を行っています。
白箱・黒箱・自家用の3種類をご用意して、皆さんの注文をお待ちしております。

GIマーク付きでお歳暮にもおすすめ

GIマークのGIは「地理的表示」のこと。
その土地で長年培われた技術を使い作られた製品にだけ農林水産省から表示許可を与えられる、生産地の知的財産として保護することを目的とした制度です。
市田柿の場合、長野県飯田市・長野県下伊那郡(高森町・松川町・豊丘村・喬木村・大鹿村・阿南町・阿智村・売木村・下条村・天龍村・根羽村・平谷村・泰阜村)・長野県上伊那郡(飯島町・中川村)を産地とし、規格をクリアした製品にだけ、登録が許されています。

COCORO FARMの市田柿はこの厳しい規格をクリアした高級品です。
地域ブランドの証・GIマークがついた市田柿は、今年一年お世話になった気持ちを込めるお歳暮に、まさに最適な商品ですよ。
今回は中でもお歳暮に適した特秀・秀品をご紹介します。

市田柿 白箱(特秀)

色、大きさ、形、粉、すべてがよい特秀の白箱。
上品な化粧箱を開けると、個包装された形の良い市田柿が詰まっています。
白箱には飯田地区を代表する工芸品「飯田水引」で作られた柿付きのポチ袋が同梱。
地域ならではの素晴らしさを感じることができるプチプレゼントとして、多くのご好評をいただいています。
お届け期間は12月7日から12月15日の間ですが、販売期間は11月30日までとなっておりますので、お早めにご利用ください。

サイズ違いとして10個入り商品もご用意しています。

市田柿 黒箱

白箱よりもほんの少し小さめサイズの市田柿を集めたのが、黒箱。
落ち着いた黒の化粧箱に、白く色付いた市田柿がぎっしりと並んでいます。
個包装ではありませんが、白箱よりお手頃価格でご挨拶の手土産にもおすすめです。
販売期間は12月10日までの1期と、2023年1月10日までの2期。
それぞれ配送期間が異なりますので、リンク内をご確認ください。

サイズ違いには500g入りをご用意しています。

それぞれのサイズ違いの他、自家用の商品につきましては以下のリンクページをご覧ください。

市田柿の美味しい食べ方を紹介

市田柿の美味しい食べ方を紹介

甘くてもっちりとした市田柿は、そのまま食べるのが一番のおすすめです。
小さいながらも弾力ある食感が食べ応えをアップし、満足感も抜群。
栄養価も高いので、ご家族皆さんで食べていただきたい和菓子です。

少し手を加えるのであれば、簡単レシピで作れるスイーツがおすすめ。
市田柿を薄くスライスして間にクリームチーズを挟めば、大人のスイーツに大変身します。
他にもダイス状にカットしてパウンドケーキに入れると、自然の甘み豊かなお菓子を作ることができます。

これから迎える新年には、なます和えはいかがでしょうか?
紅白なますに細くカットした市田柿を加えると、食感はもちろん甘みがプラスされて食べやすくなります。
おせち料理に飽きた頃の味変としてもおすすめです。

いろんな楽しみ方ができる市田柿、ぜひ冬のお供にお試しください。